まぁよくある言葉。なんか困ったらみんな魔法のように生産性を上げるとか言ってる。
方向性自体は悪くないけど、
- 何故生産性向上が必要なのか
- そもそも今までやってこなかったのか
- 今までに向上した生産性から享受できたメリットはどこに行ったのか
とか考えるとなかなか悲しいことになってくる。
そもそも生産性とは
アウトプット/インプット
で求めることができる。
時間当たりにどれだけの量or高い質のアウトプットを出せたかって話。
プログラマならより短い時間で同じモジュール実装できるようになったとか、
テストツールの導入によって実行と確認作業を自動化できたとか、
そんなん。
生産性向上例その1_自動化
まぁ例にあげたのはパッと思いつくものだったけど、基本は自動化。
人が手でやってる作業を排除することからはじめる。
ただ自動化を行うためには、
- インプットとなるべき情報
- 期待するアウトプット情報
- 人手で行ってきた作業のプロセスを明確にする
ことをやっておかないといけない。
例えば寿司屋のシャリ作る機械なんてインとアウトは明確ですね。
米と酢入れたらシャリ出るとか。
専用機械ってのはそうやって作られてるわけです。
生産性向上例その2_属人性の排除
人っていうのは高性能なんだけど、
- 判断力とか
- 知識レベルや経験とか
- その時の体調とか
いろんなものに左右されてミスは起きるし、人により判断が変わるような案件がどうしても出る。属人性って部分。
特に、「◯◯さんしかできない、知らない」とかいう作業は真っ先に効率化の槍玉に挙げられる。
こういうの放置してる会社はやばい。
だって◯◯さん休んでたら業務止まるんでしょ。
◯◯さんから必要な知識レベルや、こういう時どうするか、何故そういう判断を行うか
といったことを徹底的にヒアリングしておく必要がある。
んで紙にでも書いておけばまぁ手も足も出ないということはなくなるはず。
生産性を向上させても明るい未来が見えない
で、とりあえず
- 人手作業は徹底的に自動化してます。作業は早くなったしミスも減りました。
- ◯◯さんしか知らないような作業もないです。仕事が止まるリスクも排除しました。
というような状態を作りましたと。
しかし従業員が楽になることはありませんでした。
経営者からしたらこれまで100万円かけてやってた仕事が60万円でできるようになったのなら、
もっと売上を伸ばそう(仕事を増やそう)とかそういう判断をしたからです。
またはもっと生産性を上げるという目標を立てます。
というのは、上記の方法で上げた生産性ってのは人の作業を減らすという方向性だったからです。
今まで無駄に時間かけて仕事してたと思われちゃったわけです。
下手したら、「今までその仕事4人でやってたけど次から3人でいけるよね?」みたいな。
(1人は他の仕事してもらうことになるケースが多いように思えます)
んでもう1つ。生産性向上なんてどこの会社もやってます。
競争が入るとどうしても忙しくなるけど、じゃあ効率の悪いままの仕事をやるのかと。
うーんデススパイラル。
理想の状態
生産性向上がんばった
↓
あまり時間をかけずに仕事をこなせるようになってきた、ミスも減った。
↓
受け持った仕事の利益率が上がってきた、早く帰れるようになってきた
↓
◯◯君すごい、昇給
↓
もっとがんばるぞ!!
↓
会社も儲かる
単純に思えるけどこのサイクル回してる会社ってないね。
あったら教えて欲しいマジで
まぁこれは定期的に仕事が入ってきて、売上からして明らかにしょっぱい仕事が無いことが前提。
現実は昇給がなく(あってもわずか)、かつ「次からこれも頼むよ」
ってなって疲弊してインセンティブを感じない従業員はダラダラ作業するかバレないように忙しいフリをして仕事をこなすという悪循環になってるケースの方が多い。
でもそれでもいいのかもしれない。
個々人でできる範囲で生産性向上の案を考えて、実行して、成果は会社に内緒にしておいて自分の休憩を増やす
っていうのが一番簡単に得られるインセンティブなのかもしれない。
※後で見返すとインセンティブって言葉を選ぶ理由もなかったなと思うけどもういいや