仕事がらPMやらコンサルやってると契約ってワードにはかなり敏感になってきます。
我々はお客様と契約を結ぶ際、どのフェーズはどの契約形態にしようか、
パートナーへ開発委託する場合はどうしようか等々。
この辺意識しなくてもいい人は一生意識しなくてもいいんだろうけど、
一応知っておくと自分が果たすべき責任の範囲が見えてきます。
請負契約とは
仕事(成果物)の完成を目的とした契約。
成果物が具体的な場合はこっち。
例えば・・
- 当社の〇〇工場向けに生産管理システムを構築してほしい。機能一覧はこれ、画面一覧はこれ、期待する動作はこれで・・
- 今ドラマに出てる〇〇さんみたいな髪型にしてほしい
- 〇〇定食ください
こんな具合。
但し、はいと返事してできなかったら瑕疵担保責任(できなかったことに対する責任)を問われる。
無理なら無理というべし。
この部分曖昧ですねとかあんた髪ないじゃんとかそんなのメニューにねぇとか。
委任契約とは
端的に言えばプロとしての働きを目的とした契約。
成果物が具体的ではない場合、でもプロとしての働きを期待したい場合に使われる。
例えば・・
- まだ仕様決まってないけどすんごいシステムが欲しい!
- 髪型を芸能人みたいにしてほしい
- おいしい料理が食べたい
こんな場合は委任契約にしましょう。
すんごいシステムって何すか。まずは要件定義させてくれませんか。
芸能人って誰すか。とりあえず頑張って髪切ってみるけどせめて誰かくらい教えてください。
おいしい料理って何すか。好みも何も言ってもらえないなら当店のお勧めはいかがですか。
っていう具合で仕事の成功に向けて要は「頑張る」わけです。
間違ってもいきなりはい!なんて言ったらいけませんし、わからないから何もしないという選択はNGです。
デスマーチになる可能性はグッと上がるし炎上した後の裁判で2度燃えます。
なお、仕事の成功に向けて頑張らなかった場合、善管注意義務に問われます。
要件も決まってないのにいきなりJavaで作りましょうかとか何言ってんだ、まず要件聞きに来いよプロだろアンタらとかそんな感じ。
おわりに
- 請負契約でできないことをできると言ったり
- 何やればいいかもあまり分かってないのに委任契約でコンサルやります!
とか言っちゃうと、当然ながらみんな不幸な目に遭います。
その辺をリスクヘッジするのは予算と工期なわけですが、現実問題としてできることだけ受けりゃいいってわけでもない。
前者の場合、受けちゃった営業のせいだ!って声がデスマーチに巻き込まれたエンジニアの悲哀としてよく見かけられますが、
後者はあまり見ないね。多分巻き込まれる人が少ないせいか絶対数が少ないせいかと。
(コンサルが激務なのはこの辺の問題に加えて、善管注意義務ってやつが非常にやっかいなせい。)
契約の意味を理解せぬまま結んでしまい不幸な目に遭う人が減ることを祈るばかりです。